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裁定買い残、最高更新(日経新聞2006/10/19)

相場観

先物主導映す、需給面の懸念材料に
 東京証券取引所が十八日発表した十三日時点の裁定取引に伴う現物株の買い残(期近・期先合計)は前の週に比べ二千四百二十七億円増の四兆八千三百八十四億円と四月二十一日時点(四兆六千六百七十八億円)以来、約六カ月ぶりに過去最高を更新した。最近の株式相場の上昇が先物主導であることを映すとともに、需給面での懸念材料になりかねないとの指摘も出ている。
 裁定買い残は先高観などを背景に先物が上昇すると割高になった先物を売って、現物株を買う裁定取引によって増える。この週(十―十三日)は下旬からの九月中間決算発表の本格化を控え、現物株取引では様子見気分が強かったが、米株高を受けて先物に買いが先行。裁定取引が活発になり、買い残高が増えた。
 買い残の増加は需給面での懸念材料として意識されやすい。先物主導で相場が下落する局面で裁定解消売りが膨らむためだ。「買い残の水準が高いほど潜在的な売り圧力が大きいことを示す」(大和総研)
 裁定買い残を東証一部の一日当たり売買代金(週平均)で割った比率をみると、十月十三日時点で一・八八倍と高水準。「一倍台後半から二倍前後になると警戒水域」(準大手証券)と裁定解消売りへの懸念も浮上している。
 裁定買い残は四月下旬に四兆円台後半まで急増したが、米金融政策の先行き不透明感などから外国人の先物売りが先行すると裁定解消売りが膨らみ、六月下旬に約三兆円まで急減。日経平均株価も六月十三日に年初来安値を付けており、「裁定買い残が上値抑制要因になる公算もある」(新光証券)との見方も出ていた。

2006年10月19日