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国際財務報告基準(IFRS)の考え方について(2009/12)

JICPAジャーナル

連載 IFRS及びIASの解説
第17回 国際財務報告基準(IFRS)の考え方について
1.概念フレームワークの役割
概念フレームワークはIFRSを構成する一部であり、首尾一貫したIFRSを作成するための基礎となるものである。
IFRSに規定ががない場合は概念フレームワークを参照する。
2.概念フレームワークの特徴的な考え方
(1)財務報告の目的は、報告企業に関する財務情報を提供することにあり、財務報告は企業の視点から行うべきとする企業体説に立っている。
(2)財務情報の作成に関し、資産負債アプローチを採っており、これにより明確な収益認識基準の作成をめざしている。
3.当期純利益・包括利益及びOCIとリサイクリング
クリーン・サープラス関係の維持とリサイクリングについては、当期純利益を重視する国と重視しない国との間で議論が続いている。
4.株式の段階取得・支配中の持分の変動・支配の喪失
従来の日本の会計処理との異同について整理する。
5.負債の測定に関する2つの考え方
IAS第37号(引当金、偶発債務及び偶発資産)、収益認識、保険契約の3つのプロジェクトにおいて、
負債の測定に関しリスク・マージンを加えるか否か、また、リスク・マージンを毎期末に見直すか否かについて議論が続けられている。
6.その他の特徴
(1)離脱規定があること。
(2)原則ベースの会計基準であること。
(3)世界基準であるIFRSは常に政治的影響を受ける可能性があること。

2009年12月31日