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振れ大きい中国株、短期売買の個人中心(日経夕刊2007/02/28)

材料

【上海】
 世界株安のきっかけとなった中国の株式相場はボラティリティー(変動率)が高い。企業業績などファンダメンタルズ(基礎的条件)に基づき投資判断を下すとされる機関投資家層が発展途上の段階で、市場参加者の中心が短期的な利幅取りを狙う個人投資家のためだ。
 アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)中国の孫徳基主席はボラティリティーの高さについて「個人投資家が賭けに興じている」と評する。市場を駆け巡る様々なうわさや憶測、心理の変化で売り買いをするためだ。
 上場企業の「質」も大きな問題だ。「数」こそ千四百社を超えたが、うち七割は「投資価値が高くない。さらに言えば全く投資価値がない」(経済政策に影響力のある全国人民代表大会の成思危・副委員長)。市場で「拉〓股(ゴミ株)」と呼ばれるこれらの上場株は企業価値ではなく値動きが物色の理由で、投機性を高める一因だ。
 インサイダー取引に対する罰則も刑法で最大懲役十年と定めているが「適用事例を聞いたことがない」(上海在住の弁護士)。ルールはあるが執行が厳格でないうえ、あっても当局の恣意(しい)性が強く、市場の秩序形成を阻んでいるとの指摘は絶えない。
 国際的な取引慣行や企業に対するチェック機能を持ち込むことが期待されている外国人の人民元建てA株への投資は制限されている。「適格外国機関投資家(QFII)」とよぶ中国政府が認定した海外の証券会社などに与えられた投資枠は、時価総額の一%に満たない。

2007年02月28日