麹町監査法人、上場3社の監査辞退(日経新聞2007/05/31)
中央青山:一時監査人
顧客企業に戸惑い
監査体制に不備があるとして四月に金融庁から戒告処分を受けた麹町監査法人(東京・港)が、現在担当する上場三社の監査を六月末で辞退することが分かった。この三社は加藤製作所とセコニック、菱和ライフクリエイト。
監査人を選ぶ株主総会が来月下旬に迫る中、突然の辞退に企業は動揺を隠せない様子で、加藤製は「別の監査法人を探している。何とか総会に間に合わせたい」としている。
麹町監査法人は辞退の理由について「計十五人という現在の体制では上場企業の監査に十分対応できないと判断した」としている。今後は労働組合などの監査に特化する方針。
二十九日に突然、退任の申し出を受けたセコニックは、麹町との契約継続を前提とした株主総会招集通知をすでに印刷済み。「総会までに次の会計監査人を正式決定するのは実務上難しい。場合によっては一時会計監査人の選任も検討している」(総務部)という。
麹町監査法人は、虚偽内容の有価証券届出書を使い資金調達をしたとして、金融庁から約一億三千万円の課徴金納付命令を受けた電気設備会社TTGホールディングスを担当していた。
2007年05月31日