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足銀、旧中央青山と和解(日経新聞2007/07/03)

中央青山:一時監査人

「責任明確化」一定の成果
焦点は旧経営陣問題に
 経営破綻し一時国有化中の足利銀行が、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)が適切な監査を怠ったことが違法配当を招いたとして損害賠償を求めていた訴訟が二日、宇都宮地裁で和解した。足利銀側がこだわったのは破綻に至った責任の明確化。池田憲人頭取らは同日の会見で、和解内容について「勝訴的なニュアンスだと評価する」とした。
 足利銀の春日寛弁護士によると、みすずは当初「和解金は払うが、法的責任は認めない」という姿勢だった。ただ新銀行への移行を見据える中で、「(責任の明確化は)なんとしてもはずせない」(池田頭取)条件。折り合った文言は「果たすべき責任を全うするに至らなかった責任を認める」というものだった。さらにみすずは同日、監査にかかわった会計士二人について、監査業務の執行停止を発表。当事者と管理者の双方の責任について、一定の成果を得たことが、今回の和解の決め手となった。
 この時期の和解について春日氏は「機が熟した」としたが、複数企業の不正決算に関与したみすずが七月に解散することが影響を与えたことも否定していない。足利銀としても今年秋ごろに受け皿の決定を控えており、「過去との決別」を急ぐ事情もあったようだ。
 足利銀側は旧経営陣を相手取った賠償請求訴訟も起こしている。みすずとの和解で今後の焦点は配当実施を決定した旧経営陣の責任問題に移る。今回の和解は足利銀側が「本丸」(池田頭取)というこの問題にも影響を与えそうだ。

2007年07月03日