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ジャスダック、子会社上場の審査強化へ(日経新聞2007/07/07)

会計基準関係

グループ外取締役選任など
 ジャスダック証券取引所は十月から子会社上場の審査基準を強化する。親会社グループ出身者以外の社外取締役・社外監査役の選任を求めるなど、少数株主の利益保護に配慮する。子会社が調達した資金を親会社が乱用することがないよう、子会社の資金需要を確認し、上場後も資金の使い方を継続的に監視する。
 子会社が上場する場合、親会社の利益を優先し、一般株主に不利益をもたらすことがないように徹底させる。社外取締役の選任などの具体策は、企業統治の取り組みについて上場申請時に提出する「コーポレート・ガバナンス報告書」に明記を求める。
 上場企業の中核子会社が上場すると「資金の二重取り」となり親会社株主の利益も損ないかねない。ジャスダックは二年以上にわたって親会社グループの連結売上高や利益の五〇%超を占めている子会社の上場は「慎重に取り扱う」方針だ。
 新興株市場では昨年、フォトニクスの子会社として連結経常利益の約九割を稼いでいたナノテックスが札幌証券取引所アンビシャスに上場した。
 エーザイがジャスダック上場の三光純薬を完全子会社にすることを発表するなど、最近は親会社が子会社の株式を買い取り上場廃止にさせる例も目立つ。買い付け価格が一般株主に不利になるのを避けるため、子会社の上場時から親会社などに将来の事業再編計画を確認する。買収で上場廃止になる場合には、目的や買収価格の算定根拠を詳細に開示させる。
 親子上場問題をめぐっては東京証券取引所も六月末に「子会社上場は必ずしも望ましい資本政策と言い切れない」として、上場企業などに配慮を求める文書を公表した。ジャスダックは東証に先行する形で、新規上場時の審査方針などを固め、証券各社に通知した。

「親子上場会社」を巡る審査方針の骨子
【利益相反の防止】
・親会社グループ出身者以外の社外取締役・社外監査役の選任などを求める
・少数株主利益の保護策を「コーポレート・ガバナンス報告書」に明記させる
【中核子会社を利用した代理調達の防止】
・2年以上、親会社グループの連結売上高・利益の過半を占める子会社の上場は慎重に取り扱う
・子会社の資金需要を確認。上場後も資金使途を継続的に確認する
【非公開化の場合の少数株主保護】
・上場審査時から親会社に今後のグループ事業再編計画を確認する
・合併等による非公開化は目的・買収価格の算定根拠を詳細に開示させる

2007年07月07日