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液晶パネルから太陽電池シフト(日経新聞2007/07/09)

材料

アルバックなど製造装置大手
 アルバックや米アプライド・マテリアルズなど液晶パネル製造装置の大手メーカーが、太陽電池の製造装置事業を一斉に強化している。太陽電池は環境問題を背景に世界的に市場が拡大しており、製造装置の需要も急伸している。液晶と太陽電池の製造工程は共通点が多く、技術を転用しやすいため、装置各社は激戦区の液晶に次ぐ収益源として「環境シフト」を急ぐ。
「環境」重視追い風
 太陽電池の二〇〇六年の世界市場は前年比四三%増の約二十五億ワット(生産量ベース)。ここ数年、四割を超す伸びを続け、今後も急成長が見込まれる。
 一位シャープ、二位Qセルズ(ドイツ)、三位京セラなど日欧企業がシェア上位を占めるが、台湾やインド企業の新規参入も増えている。
 太陽電池大手は製造装置のほとんどを自社で開発・製造してきたが、新規参入したアジア勢は技術力がまだ低く、製造装置へのニーズが急速に高まっている。液晶と太陽電池の製造工程は、大きなガラス基板にシリコンや金属の薄膜を積み重ねて作る点が似ており、液晶装置各社は製造技術も太陽電池メーカーに提供する形で事業を拡大している。
 アルバックは製造ライン一式を台湾の太陽電池メーカーに納入する契約を初めて結んだ。他メーカーからも受注を獲得。三十億円を投じて神奈川県茅ケ崎市の工場内に太陽電池製造装置の生産ラインを建設、九月に完成させる。〇八年六月期は「年間十社からは受注を獲得したい」(FPD事業本部)という。
 米アプライドは昨秋、米国の太陽電池製造装置メーカーを買収して市場に参入した。〇七年の受注目標は二億ドル(約二百四十億円)だったが、インドや台湾企業から受注に成功。半年で目標を達成したため「年四億ドルを狙う」(太陽電池部門トップのチャールズ・ゲイ氏)という。
 東芝系の液晶製造装置メーカーである芝浦メカトロニクスもレーザーを利用した装置を試作し、太陽電池メーカーへの出荷を開始。東京エレクトロンも市場調査や研究を始めた。
 液晶製造装置の世界市場は急拡大を続けてきたが、台湾などの液晶パネルメーカーが投資を先送りしたことなどから、足元では需要が低迷。今年度の日本製薄型パネル製造装置の世界販売額は前年度比二五%減とマイナスになる見通し。価格競争も激しくなっているため、各社は今後成長が見込める太陽電池市場の開拓を進める。

2007年07月09日