酒井重、決算を訂正、不適切な会計処理発覚、5年分(日経新聞2007/0904)
不適切な会計処理
酒井重工業は三日、社内で不適切な会計処理が発覚したと発表した。道路舗装機械など受注が確定している案件について、下期に計上すべき売上高を上期に前倒しで計上していた。架空売り上げ計上や経費の着服などはないという。二〇〇三年三月期から〇七年三月期までの決算を訂正する。
会見した酒井一郎社長によると、不正行為を実施したのは担当取締役二人と従業員十三人。五月末に監査法人のトーマツに酒井重社員から匿名で連絡があった。
前倒し計上しても下期分の売上高は逆に減り「通期業績への影響はほぼ無かった」(酒井社長)が、公共投資が減少する中、上期だけでも売り上げ計画を達成しなければならないという重圧感が強かったという。酒井社長は「社内全体のコンプライアンス意識の低さが原因。株主など市場関係者の方々に深くおわびしたい」と述べた。
関与した取締役二人は退職金を辞退し八月三十一日に退職。従業員の処分は九月中旬に監査法人の監査報告書が提出された後に決める。今後はコンプライアンスや会計知識に関する研修を随時実施。設置済みの内部統制委員会の人員増強や売り上げ計上処理のルール厳格化なども徹底する。
2007年09月04日