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合併で上場廃止猶予期間、狙いは?(日経新聞2007/10/03)

会計基準関係

無審査の「裏口上場」防ぐ
 九月二十七日に、来年四月の合併を発表したジャスダック上場のイー・レヴォリューションと東証二部上場のプリヴェ企業投資ホールディングス。これに対しジャスダック証券取引所は「合併すれば、存続会社のイーレヴォは上場廃止猶予期間に入る」と発表した。合併に伴う上場廃止と猶予期間の制度について、ポイントをまとめた。
 Q 制度の狙いは。
 A 上場会社とそれより大規模の未上場会社が合併することで、未上場の会社が取引所の審査を経ずに上場会社になってしまう「裏口上場」を防ぐことが目的だ。
 Q 基準は何か。
 A 東証の場合、上場会社と合併相手の直近決算期の売上高、経常損益、総資産を比較。うち一つでも合併相手が上回れば、これまでの経営成績や合併後の役員構成、社名などを見て上場会社が実質的な存続会社かを判断する。ジャスダックは売上高や総資産、役員構成などを総合的に見る。実質的な存続性がないと判断した場合、対象企業が猶予期間に入る。
 Q 上場廃止猶予期間に入るとどうなるか。
 A 投資家は従来通り、株式を売買できる。存続会社は合併後に、上場審査に準じた審査を受け、適合した場合は猶予期間も解除される。
 Q 上場廃止猶予期間から実際に上場廃止となった会社はあるのか。
 A 東証とジャスダックでは、〇七年九月末までに一社もない。
 Q 上場企業同士の場合は問題がないのか。
 A 東証やジャスダックの基準では、同一取引所に上場する企業同士は問題ない。別取引所に上場する会社との合併では審査対象となる。イー・レヴォとプリヴェ投資の合併は上場取引所が異なるので、これに当たる。
Q いつから実質的存続性を判断するようになったか。
 A 東証は一九七七年三月に上場廃止基準の一つとして定めた。当時は合併が決議されてから、実際に合併するまでの間に審査していた。
 Q なぜ猶予期間があるのか。
 A バブル崩壊後、企業再編が活発になった。裏口上場目的ではなく、業績の悪い上場企業が成長を目指し未上場企業と合併する例も出てきた。合併効果を業績に反映させるための時間が必要との判断から、東証は二〇〇〇年三月に猶予期間を導入、合併した決算期末から三年間と決めた。

2007年10月03日