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会計基準委、時価情報開示を拡充(日経新聞2007/12/11)

会計基準関係

会計基準委、時価情報開示を拡充
証券化商品や借入金など
 企業会計基準委員会(ASBJ)は企業が保有する金融商品の時価情報開示を拡充するルールをまとめた。従来は株式など有価証券やデリバティブ(金融派生商品)取引が開示対象だったのを、借入金など負債まで含め注記することを義務付ける。米住宅ローン関連など金融商品の含み損益が注目される中、金融商品の対象を広げ国際基準並みの開示を促す。
 二〇〇八年初頭に詳細を固めて一〇年三月期からの適用を義務付ける。前倒し適用も可能にする。
 新たな開示対象は貸付金や借入金のほか社債、負債性の高い優先株など。証券化商品は従来、把握できるものは開示を求められていたが、今後は積極開示が義務付けられる。貸借対照表の項目ごとに簿価や時価、両者の差額、時価の算出方法を注記として示す。非上場株式や組合出資金など時価の算出がほぼ不可能なものは対象外とする。
 時価は市場取引がある場合、市場価格とし、ないときは企業が信用リスクや将来的なキャッシュフローの見積もりなどの情報を基に算出する。
 例えば、連結子会社への長期貸付金では、信用リスクから回収可能性を反映させ一定の利率で割り引いて算出する。借入金は自社の格付けなどを踏まえた信用リスクを基に計算した金額を示す。
 今回は注記なので損益計算書や貸借対照表の金額には影響しない。だが、従来は時価の把握が難しい金融商品は開示が義務付けられておらず、相場変動で多額の含み損を抱える場合でも実態をとらえにくかった。
 米国会計基準では今年十一月十五日以降に始まる事業年度から新ルールを導入した。時価の把握のしやすさに応じて金融商品を分類し、把握しにくい証券化商品も各社の見積もりを基に時価開示を求めている。
時価表示対象の金融商品  
従 来
  市場取引のある有価証券
  デリバティブ取引  
新たな対象
  資産担保証券などの証券化商品
  借入金  
  社 債  
  リース債権、リース債務  
  負債性の高い優先株  
対象外
  非上場株式
  組合出資金  

2007年12月11日