企業の納税など、ネット申請、使いやすく(日経新聞2008/01/08)
法人税
企業の納税など
ネット申請、使いやすく
5省庁、09年めど新システム
中小のコスト削減
経済産業省など五省庁はNTTデータなど民間約十社と組み、企業が納税申告などの公的手続きをインターネットで簡単にできる新システムを開発する。二〇〇九年一月をメドに導入し、納税などの専門家がいない中小企業のコスト削減に役立てる。〇九年度中に五十万社の採用を目指す。
公的申請を専門会社に外注することの多い大企業と違い、中小企業は数人がかりで必要な計算をやっていることが多い。経産省は新システムの導入で経理の手間が減り、中小企業の経営効率が高まるとみている。
対象となる公的手続きは従業員の納税や商業登記、年金、雇用保険など。経産省、厚生労働省、法務省、社会保険庁、国税庁の五省庁がネット上に専用ページを作る。納税申告の場合、企業が専用のパスワードやIDを入力してサイトに入り、売上高や従業員数、給料などの数字を入れれば、法人税額や従業員の所得税額などが算出される仕組み。
結果は自動的に電子申請書に転記され、ページ上の専用ボタンを押せば各省庁への手続きが完了する。既存のシステムは各省ごとにばらばらだったうえ、必要な数字を企業が自分で計算して入力する必要があった。
経産省はシステム開発費として来年度から二年間で約四十億円を出す。企業が払うシステムの利用代は一般の財務ソフトなどに比べて二―三分の一に抑える方向。
政府は国・地方自治体への申請手続きのオンライン利用率を一〇年度までに五〇%にする目標を打ち出しているが、現状は三%にとどまっている。経産省は新システムによって電子申請の普及率が一三%程度に高まると想定。政府の窓口対応のコスト削減にもつながると期待している。
2008年01月08日