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日経平均続落、「割安」でも買い手不在(日経新聞2008/01/08)

相場観

日経平均続落
「割安」でも買い手不在
業績不安・改革逆行を嫌気
 日経平均株価は七日、一時約一年六カ月ぶりに一万四五〇〇円を割り込んだ。PER(株価収益率)など指標面では歴史的な割安水準ながら、積極的な買い手は不在で下値のメドがいぜん見えない。米景気の減速や円高だけでなく、企業の買収防衛や政局混迷など、日本固有の問題を指摘する市場関係者も増えている。(1面参照)
 ■PERは歴史的低水準 「業績との比較からは明らかに売られすぎだ」(フォルティス・アセットマネジメントの山本平社長)。市場から悲鳴に似た声も上がる。
 日経平均は経験則からの割安感が強まっている。株価が予想利益の何倍かを示す、代表指標の予想PERは十五倍台。約三十年ぶりの低水準とみられ、バブル期の五十倍、六十倍など日本株の高いPERに慣れた市場関係者にはかなり違和感のある低さになった。
 東証一部の平均配当利回りも一・六%強と長期金利(一・五%弱)との逆転が定着した。従来、配当利回りは株価の値上がり期待がある分、長期金利を下回ってきた。が、トヨタ自動車が二・四五%など東証一部には配当利回りが長期金利を上回る銘柄が千七十強。全体の六割強を占める。
 なのに日本株には買い手が現れない。東証が七日発表した十二月第三週の売買動向では、外国人投資家が二週連続の売り越し。個人も二週ぶりに売り越しに転じた。
 主因は米国を中心にした世界景気の減速懸念と円高だ。「アナリストが来期の業績予想を下方修正するとの見方があり、買いが入らない」と野村証券の岩沢誠一郎チーフ・ストラテジスト。
 ■過剰な買収防衛策も背景 昨年の高値からの下げ幅は米ダウ工業株三十種平均の一割弱に対し、日経平均は二割超。突出した日本株の下げには、「日本特有の要因もある」(ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリオ・マネジャー)。
 例えば過剰な買収防衛策。敵対的買収が困難になり、「PBR(株価純資産倍率)などの点で割安でも買収対象から外れてしまう」(西崎氏)。東証一部ではPBRが一倍以下と、株価が解散価値以下に放置された企業が全体の四五%だ。
 加えて政局混迷と改革の逆流。「政治の指導力が低下し、バラマキ政策の復活が外国人投資家に嫌気されている」(大和住銀投信投資顧問の窪田真之シニア・ファンド・マネージャー)。大規模な政界再編など新しい展開がないと低成長の日本株への投資意欲は戻らない、との声も多い。

2008年01月08日