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PER10倍割れ相次ぐ、昨年末比1.8倍、JFEなど402社に(日経新聞2008/01/17)

相場観

PER10倍割れ相次ぐ
昨年末比1.8倍、JFEなど402社に

 株式相場の急落を受け、予想PER(株価収益率)が十倍を割り込む銘柄が相次いでいる。東京証券取引所第一部で十六日の予想PERが十倍割れとなったのは四百二社。昨年末時点に比べ一・八倍(百七十七社増)となり全体の二割を占めた。足元の業績が好調な企業も多く、売られすぎとの見方は多いが、来期業績への不安を映しているとの指摘もある。
株価急落で東証1部の2割
 予想PERが十倍を割り込む銘柄は「財務体質が悪く問題を抱えている企業との見方が一般的」(野村証券の藤田貴一ストラテジスト)。だがサブプライムローン問題に端を発した日本株売りは広範に及び、好業績の優良銘柄も容赦なく売りを浴びている。
 時価総額が一千億円以上で直近の予想決算で最終増益を見込む東証一部上場企業のPERを低い順にランキングしたところ、大平洋金属が五・二倍で一位となった。これまで資源高で高収益を謳歌(おうか)していたが、足元のニッケル価格の低迷で来期以降の業績に不透明感が強いためだ。商社や海運といった新興国需要の恩恵を受ける企業も目立つ。
 日本を代表する企業でも十倍割れは続出している。JFEホールディングスは二〇〇八年三月期の連結経常利益が前期比五%増の五千四百億円と過去最高を更新する見通し。だが十六日の株価は前日比四・八%安と急落し、予想PERは九・五倍と〇六年十一月以来、一年二カ月ぶりの水準にまで低下した。
 三菱商事も今期、資源高などを追い風に純利益で前期比三%増を見込んでいるが、十六日は八%超も下落。予想PERは九・八倍と、約一年ぶりに十倍を割り込んだ。双日や住友商事、伊藤忠商事はすでに十倍を大きく下回って推移している。 大手が軒並み過去最高益を更新する海運でも低PERが目立つほか、日産自動車(九・四倍)やホンダ(八・八倍)など大手自動車でも十倍を割れる銘柄が出てきた。
 好業績銘柄でも予想PERが十倍を割り込む現状に対し、市場からは「売られすぎとしか言いようがない」との声が聞かれる。ただ米景気の後退懸念や急激な円高進行など企業収益を取り巻く逆風は強まるばかり。「市場が輸出関連企業を中心に来期の減益を少なからず織り込み始めた」(大和総研の浜口政己ストラテジスト)との見方も少なくない。

2008年01月17日