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会計基準来年からこう変わる(5)役員賞与――役員報酬と同じ費用計上に(日経新聞2005/12/23)

会計基準関係

 取締役や監査役といった役員に支払う賞与(ボーナス)の費用計上が義務付けられる。現在は、株主総会の決議事項である「利益処分案」に賞与の金額を盛り込み、未処分利益の減少で処理することが認められているが、二〇〇六年五月予定の会社法施行に合わせ、役員報酬と同じ費用計上に一本化する。
 これまでは、ほとんどの上場企業が営業利益に影響を与えない利益処分で処理してきたが、今後は役員賞与の金額分だけ各企業の営業利益が目減りすることになる。新ルール適用は会社法施行以後に終了する事業年度から。三月期決算企業の場合、〇七年三月期からの適用となる。
 現行商法は役員賞与と報酬の位置づけを明確に定義していない。しかし、会社法はこの二つを「職務執行の対価として会社が支払うもの」として同一視。支給手続きも同じ条文で示している。そのため企業会計基準委員会は、会計上も賞与と報酬を同様に取り扱うべきだと判断した。
 役員賞与の支払いは、決算発表後に開催する株主総会の決議で確定する。このため、実務上は決算作成時に「役員賞与引当金」を費用計上し、営業利益から差し引く。
 企業会計基準委は〇四年三月にも「役員賞与は費用計上が妥当」とする会計指針を決めたが、多くの企業が利益処分で対応している実情に配慮し、「当面の取り扱い」として利益処分も許容していた。
 米国基準や国際基準も役員賞与を費用計上するよう定めている。新ルールは国際的な会計基準のコンバージェンス(共通化)の流れにも対応した形だ。

2005年3月期に役員賞与を利益処分で処理した主要企業    
社名  役員賞与総  額(百万円)  連結営業利益に占める割合(%)
新日石  425  0.21
日産自  404  0.05
武田  337  0.09
王子紙  265  0.31
東電  264  0.05
味の素  243  0.34
商船三井  146  0.08
鹿島  116  0.25

2005年12月23日